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フェア・ゲーム(2010年・米)

 



”イラクがニジェールより大量のウランを核兵器の開発のために輸入した”という疑惑が浮上した。結果的にこれはブッシュ政権がイラクに進行するための作られた証拠だった訳なのだが、その真意を確かめるために、アフリカに精通する外交官であるジョセフ・ウィルソンはニジェールへ派遣される。ジョセフなりの調査の結果、この疑惑は疑惑のままであり真実ではないと確信を付け、帰国することになる。しかし、是が非でも開戦のためにこの疑惑を真実認定したい政府はジョセフのこの調査結果に対して首を縦に振ることはなかった。そればかりか期待に沿う報告を持ってこなかったジョセフへの報復とばかりに、彼の妻であるヴァレリーがCIAの極秘調査官であることをマスコミに暴露し、彼ら一家を窮地に追い詰める。

と、頑張って短くまとめたものの、あらすじに関してはかなり複雑なのでここでは話しきれない。詳しくはこのwikipediaのページ(→プレイム事件)を読んでもらうのが良いかなと思う。というか、前提知識がないと何が何だか分からない映画。

ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞において"表現の自由"賞を取った本作品だが、この賞にふさわしい出来。イラク戦争を題材にした映画というのはいくつかあると思うが、これはイラク戦争"前"の段階にスポットを当てたもの。イラク戦争を語るワードとして外せない"大量破壊兵器"というものがいかにしてでっち上げられたか、そして自分たちの意に沿わないものに対して容赦無い仕打ちを仕掛ける合衆国政府の非道さという部分を含めて事実だと思うと恐ろしい。

かなり社会派の映画で、国際情勢やアメリカの政治などに疎い、もしくは興味のない人には全く面白さが伝わらない映画じゃないかなと思う。ただ幸いにも自分にとってはかなり興味関心が深い分野だったので、楽しめた。なのでこの点数ですが、客観的に採点をしたら中の上くらいかもしれない。誰にでも薦められるものではないですね。

score ⇒ 80点

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