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2012年の湘南ベルマーレより 

豊富な運動量と素早い切り替え、そしアグレッシブさ全開のカウンターが代名詞でもある湘南ベルマーレは今となっては多くのサッカーファンが注目する存在となった。中心選手である遠藤航はリオ五輪を目指すU23代表では絶対的な存在になり、A代表にも定着しつつある。チームの色を確固たるものとしてクラブに植え付けた曺貴裁監督には幾多ものクラブから声がかかるほどリーグ屈指の"名将"として認知されるようにもなった。そんな今の湘南ベルマーレの原点であり分岐点は、やっぱり2012年なのかと思う。

これは、曺さんの就任1年目だ。前年度の2011年はJ1からの降格初年度ながら、再昇格には背伸びして目一杯手を伸ばしても届かない14位に終わり、チームを率いていた反町監督が辞めるどころかアジエルや田原豊をはじめとした中心選手が続々と退団。平均年齢も一気に下がり、経験のある選手がほぼいなくなったチームの再建を託されたのが曺さんさんだった。そして2012年、この年は自分が"プロ"のライターとなった年であり、初めて持った"担当"がこのクラブだった。

あのときの開幕戦、京都と戦って菊池大介のロスタイムでの逆転ゴールにより2-1で勝った試合と、あそこに立っていたスタメンはいつまでたっても忘れない。

【3-4-3】  

          ⑰馬場賢治(現 水戸)

    ⑮岩上祐三(現 松本)    ⑩菊池大介

㉓高山薫                   ⑤古林将太

       ⑥永木亮太  ⑦ハン・グギョン(現 カタールSC)

㉒大野和成(現 新潟) ③遠藤航  ②鎌田翔雅(現 清水)

           ㉗阿部信行(現 北九州)

 

↑こんなメンバー↑

 で、今こうやって思い返してみると、チームの中心として活躍した6番と7番のダブルボランチ、この2枚はとんでもなく理想的だったように感じる。まず2人ともハードワークができて、ボールを"奪う"ことに長けている。そして、ポゼッションの力もある。ハン・グギョンのボール奪取はかなり芸術的で、イーブンのボールは大体奪うことができていた。そんな彼はいまや韓国代表にコンスタントに選ばれる選手となって、相棒の永木亮太は坂本紘司が抜けた後の湘南のバンディエラみたいな存在になり、曺さんのサッカーの主たる体現者となった。そして先日、ミーティングのみではあるものの代表候補に呼ばれたということもあり、彼が代表のユニフォームに袖を通す日もそう遠い未来ではなくなった。

となると、期待してしまうのはいつか日韓戦でこの2人が相まみえるその瞬間。当時、取材をしているときからこれを個人的に望んでいたし、何よりもこの2人の見えない絆みたいなものをいつも感じ取っていた。うまく言葉に表せないけど、根拠の無い信頼を持っており、そして互いにライバルと見合っていたような、そんな関係。なので、先にグギョンが湘南を去ってから代表に定着していく姿は、永木亮太にとっての大きな原動力になっていたと思う。こればかりは本人に聞いてみないとわからないのだが。

とにかく、いつかこの2人が代表のピッチで敵として戦う姿を見たい。だから、こんなことを書いてみた。

 

では、今日はこんなところです。

 

 

 

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