ある大学が実験のために被験者を募った。その実験とは被験者が「看守役」と「囚人役」の二手に別れて2週間、大学内に作られた模擬監獄で生活をするというものであった。報酬はなんと、4000マルク。
この求人広告を発見したタクシー運転手兼記者のタレクはここでの生活を記事にしようと、被験者に応募する。記録のために小型カメラ入りのメガネを持ち込んで。当社は看守役と囚人役で和やかに進んでいたものの、記事のネタ作りのために場に刺激を与えるタレクによって、事態は悪しき方向へ進んでいった。
割り振られた役割とその状況によってこんなにも人間は変わってしまうのだろうか。ただの実験なんだから割り切っていざこざを起こさずにやればいいのに…と思うだろう。もしタレクという人物がいなければ無事に終わったかもしれないのだが、彼が「面白半分」で犯した一つ一つの行為が周りを刺激させてしまい、取り返しの付かないことになる。これはどういった状況でもよくあることだろう。その「最悪系」を描いた、教訓を学べる映画という位置づけと言うのが最適か。
気分が悪くなること必至。多くの人がその類の例であげる「ファニーゲーム」を自分の中では軽く超えた印象がある。ある程度観るには覚悟がいるでしょう。役割や状況による人間の心理的変化の恐ろしさを学べるという点でかなり面白い。
しかしストーリー中に無駄な恋愛的要素や「そこまでしちゃう??」というような個人間での復讐など、ツッコミたいところはいくつかあった。
SOCORE ⇒ 75点
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