湘南残留か?浦和へ移籍か?遠藤航の去就について考える

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Jリーグのシーズンも終盤に近づき、移籍の噂話が毎日のように出てくる時期になった。特定のクラブに対して愛着を持つ人の中にも、スポーツ新聞のwebサイトから発される情報を随時チェックするような方もいるだろう。大学時代の自分がそうだった。懐かしい。スポニチアネックスを1日に何回もチェックしてた。それはいいとして、残留までもう敗戦どころか引き分けも許されないC大阪から多くの選手が流出するとか、最近だったら川崎Fの大久保嘉人の動向だとか、そういう情報がサッカーファンを賑わせている。特に後者が湧きだった時期には麻生G(川崎フロンターレの練習場)に多くの記者陣が詰めかけていた。それももう2週間のことだから、時が過ぎるのは早いなと。

とにかく、今の時期はそれぞれのクラブのファンが「ウチの選手は大丈夫だろうか…」という不安と闘いながら、かつそんなことを考えないようにしながら過ごしているのだろう。ただ、全てのサポーターが安堵の気持ちを持ったまま年を越せることはほぼない。そして、昨朝の報道でその犠牲となったのは湘南ベルマーレのサポーターだった。

【浦和】U21DF遠藤獲り!湘南に正式オファー

目下J1首位の浦和が湘南の遠藤航を取りに行っているという報道が出た。来季ACLを戦うこと濃厚な浦和としては、即戦力レベルの選手補強は急務。特に、アジアを”獲る”ためには。そういう状況下で、同じシステムを敷く湘南で3バックの右を長らく務め、かつ世代別代表で毎度のようにキャプテンマークを任されるほど申し分ない実績と実力を持つ遠藤にオファーを出すのはなんら不思議ではない。

それに、仮にこの移籍が実現したとしても浦和から見て”ハズレ”となる可能性は低い。というのも湘南の曺貴裁監督はペドロヴィッチ監督のサッカーを”お手本”にしていたことを就任当初から明言していており、浦和を見ている知り合いの記者が初期の曺貴裁・湘南を見に訪れた際「似ていると思った」なんてことも言っていた。志向するサッカーが大きく変わるわけではないので、適応力という点で不安はないだろう。もともと世代別代表に選出されて、チームを出て代表のサッカーに入って…ということを繰り返してきた選手でもあるので。ちなみに、実はペドロヴィッチ監督は幾度か湘南に対して賛辞を送っている。確か自分が湘南を担当した1年目、つまり曺監督が湘南を率いて1年目のシーズン直前に湘南が浦和と練習試合をした際、「このサッカーをブレずに続けたほうがいい」みたいなことを曺さんに語ったなんてこともあった。

とはいえ湘南と浦和はシステムは同じとはいえど戦い方はけっこう異なる。が、そんな中でも共通点として挙げられるのが”3バックの攻撃参加”というところ。浦和のそれは有名だが、今年の湘南は過去2年とくらべて明らかに後ろの3枚(特に右の遠藤、左の三竿)が前線に顔を出す回数が増えた。遠藤は7得点、三竿は11アシスト(リーグ1位タイ)を記録しており、最終ラインの攻撃性は明らかに数字にも現れている。攻撃力という一言でくくるのも我ながら稚拙だが、3バックでかつ左右のCBに攻撃参加を求める浦和にフィットするのにそう時間はかからないのでは、と考える。

そんな遠藤だが、去年のJ1で3ゴールを記録しており、その相手は川崎、鹿島、そして浦和である。強豪といえるチームから奪っている中、特に浦和戦では一時逆転となるゴールを決めており、本人もプロ入り後最も印象に残っている試合としてこれを挙げている。浦和サポの脳裏にも刻まれている出来事でもあるのではないだろうか。
ちなみに最初は3バックの真ん中で起用されていたのだが、曺監督が彼のビルドアップ力が生きるのは右だということに気づき、位置を変えたという経緯がある。去年からだっただろうか…。この2013シーズンは開幕前の負傷が響き17試合の出場に留まっているのだが、その中で上記の3チームを相手に得点を上げている。CBながら持ち合わせているその得点力は推して知るべし。

さて、その遠藤航は果たしてこのオファーを受けるのかどうかというところになってくるが、自分は6:4で残留を選ぶと見ている。

1年前か2年前かは忘れたが遠藤本人と話した際「チャンスがあればもちろん海外でプレーしたい」と語ってくれていた。向上心は強く、より高い舞台へ上がることを望んでいる。湘南から海外に行くのと浦和から海外に行くということを比べれば、間違いなく後者のほうが可能性があるだろう。そういう意味では本人としても浦和で挑戦したいという思いがあっても不思議ではない。 出場機会が得られれば、という前提ありきでもあるが。しかし「あいつは、上に行くチャンスがあれば出ていきますよ」ある関係者が冗談交じりに口にしていたことが個人的にひっかかるというのは、ある。

そして、浦和はかなりの額を積んで遠藤を取りに行くというというような報道も出ている。財政的に決して恵まれている訳でない湘南にとって移籍金から得られる収入は大きいし、悪い話ではない。それに、ブンデスリーガのフライブルクのように選手を育成して他クラブに”売り”、その資金をスタジアムなり練習場なり選手なりに投資してトップリーグに安住するという経営方法もありだし、J1の常連となるにはそういったアプローチも必要と言えるだろう。ただ、湘南がそういう路線を切るにはまだ早い。まずは今季のJ2を席巻した中心選手を引き止めて、J1への残留を果たすこと。これがファーストミッションであり、そのためには遠藤が不可欠な存在であることは言うまでもない。

湘南 練習

曺監督は湘南に就任して以降、”絶対的なレギュラーを置かない”ということを自分含め多くのメディアに語ってきてくれたと思うが、この3年間を振り返ると遠藤航と永木亮太に関しては”絶対的”という言葉に限りなく近いポジションが与えられていたと思う。今年度の開幕前に永木亮太へJ1のクラブからオファーが来ていたが、曺監督が全力で慰留に走ったという話も聞いた。今回の遠藤の件についても、監督はじめ関係者総出で止めに行くだろう。ただ、豊富な運動量とアグレッシブなサッカーを専売特許とする湘南にとってこの2人は文字通りチームの頭脳かつ心臓でもあり、J1を戦うために絶対に外せない選手だと断言して良い。そして、遠藤自身は湘南にてJ1の舞台をフルシーズンで戦ったことがない。初めてその舞台を踏んだのは2010年、二種登録をされていた高校3年次で、6試合に出場し1得点。昨シーズンは前述した理由で半分の17試合に留まった。チームの中心となりJ1で30試合以上を戦った経験がまだない彼が”湘南で自分はやりきった”と思い、見切りを付けるにはまだ早いだろう。

先に述べた海外の話も、出場機会があってこそ。現在J1の首位を走り、成熟しつつある浦和の3バックに割って入るよりも自身が中心となっている今の湘南でJ1を戦うほうが彼の将来にとってプラスになるのではないだろうか。
いずれにせよ、最後は本人が決めることであるのだが。

最後に、今季開幕前に残留を決意した永木亮太が自分に話してくれた言葉を紹介したいと思う。

「俺が湘南に残らなきゃダメでしょ」

取材という形で聞いた訳でもなかったのでここで出すかどうか迷ったのだが、秘めておくにはもったいないと思ったので紹介することにした。

遠藤が昨年の永木のような決断をすれば、湘南は更にもう1ステップ上に行けるかもしれないし、それこそ中田英寿以来の”平塚から世界”へ歩みを進める選手になれる可能性も高い。

では、今日はこんなところです。
HIDEゲート

Leona

主です。詳しくはこちらへ→http://reonatakenaka.com/?page_id=2

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