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【未来の日本代表】2017年、J2で印象に残った注目の若手選手20選その①

サッカー

J1は川崎フロンターレが初タイトルを取り、J2は湘南の優勝と長崎の自動昇格、そしてプレーオフは風間八宏監督の就任1年目であり改革を加えた名古屋グランパスが”ラスイチ”の席を奪い取り、J3からJ2への昇格チームは栃木となった。

2017年も色々あった訳だが、今季もJ2をよく見た。川崎フロンターレや湘南ベルマーレ、そして名古屋グランパスを中心的に見たのだが、湘南や名古屋が絡まない試合も積極的に90分見るようにし、時間があれば取材にも行った。毎試合1節は、必ずフルタイムで見たと思う。そんな中、前回書いた「J2からE-1に臨む23人を選んでみた」という記事が好評だったで、それに引き続き、今回は個人的に今季のJ2で印象に残った23歳以下の選手たちを20人、前後編に分けて紹介したい。


本当はこの1回で全員に言及したかったのだが、いかんせん20人は多すぎた。では、スタート。

 

①渡 大生(FW 24歳・徳島)
【42試合(3538分)出場 / 23得点】

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早速のオーバーエイジで恐縮だが、彼を避けるわけにはいかない。(以下は本当にU-23です。)23得点をあげ見事に得点ランク2位、日本人得点王となった。1位のイバは規格外の選手であるが、十分1位になれる可能性を秘めていた。裏を返せばもう少し、決定力が上がればとんでもない選手になると思う。

高卒1年目、北九州に入ったときからしか知らないのだが、その当時からとにかく”ゴール前に強い”絵に書いたようなストライカーという印象だった。シュートへの思い切りも良く、遠目からのミドルもある。ゴールへの貪欲な姿勢は突出したものがあるように思える。先日のブログでも書いたが、2015年オフに川崎フロンターレが獲って欲しいと思った選手の1人。


 

②大本 祐槻(DF 22歳・岐阜)
【42試合(3683分)
出場 / 4得点】

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彼を初めて見たのはインカレだった。大学サッカーを定点観測しているとは言っても、関東中心になる。関西の雄である関西学院や関西大、そして大本の卒業校である阪南大を定期的に見る機会はなく、総理大臣杯かインカレくらいだ。

ただ、その少ない機会で印象を残してくれた選手というのはやはり力があるプレーヤーなので、ほとんどが後々にプロへ言っている。別に自分の見る目があるとかそういうことを言いたいわけではない。で、確かこのときはサイドハーフかウィングをやっていたのだが、高い足元の技術をベースにした積極的な仕掛けと、深い位置まで入れる走力も魅力的だった。

そして岐阜に入団し、ルーキーイヤーながら全42試合に出場し4得点。全試合に出場しただけでなく、サイドバックで4得点というのは素晴らしい成績であり、攻撃的なチームにおいて十分すぎる貢献度を見せた。

 

③仙頭 啓矢(MF 22歳・京都)
【24試合(1477分)
出場 / 5得点】

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京都橘時代にチームを選手権準優勝に導いた司令塔が、大学4年間を経て地元のクラブに戻って来たというのはストーリー性があって良い。大学時代も何度か取材したのだが、ほぼ2部での戦いだったのでそこまで多くは見ていなかった。しかし、1年生でレギュラーとなって試合に出ていた彼を見て「格が違うな」と思ったのを鮮明に覚えている。

場所は駒沢陸上競技場だが、相手は覚えていない。中盤でボール持ちながら時間を作り、ゴールの近くまで配給し運べる、絵に描いたような理想的なトップ下の選手だった。1年目の今季に残した成績は及第点以上だと思うし、終盤には主力に定着した。

彼の特徴はやはり、キックの質かなと。それはパスでもシュートでもそう。昨年度までチームの中心にいた山瀬功治の抜けた穴を埋め、未来に期待を持たせる活躍はできたと思う。

 

④青木 亮太(MF 21歳・名古屋)
【26試合(2028分)
出場 / 11得点】

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1シーズン通して宇宙人だった。いや、どうもその技術と能力の高さからチーム内でこういうあだ名がついているらしい。風間八宏監督が就任したことにより、吸収力のある真面目な若手は絶対に伸びると確信しており、名古屋でそれに該当すると思っていたのはこの彼と和泉竜司だった。

そして実際に青木亮太は中心選手となり、瞬時に相手の嫌なコースに入っていくドリブルと高いシュート力を武器に29試合で11得点。彼が入団してから名古屋の監督は全員揃って彼を使いたがっており、田中マルクス闘莉王も衝撃を受けた才能だと言う。ついにブレイクしたわけだが、まだまだ伸びるはず。J1でどれだけやれるのか?見てみたい。
 

⑤高丘 陽平(GK 21歳・横浜FC)
41試合(3690分)出場 】

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GKという生き物はいつ出番が来るかわからない。ずっと3番手4番手の選手が、急にレギュラー陣の怪我でピッチに立つことがあったり、30歳手前まで公式戦に出られることがないことなんてザラである。

しかし、その一方で経験がとても重要なポジションでもある。そういう意味では、わずか21歳でJ1昇格争いを繰り広げるチームの守護神を任されている彼への期待はとても大きい。181cmとGKとしてはそこまで上背があるわけではないのだが、セービング能力が高く、個人的にはキックの質が高いと思う(飛ばせる、という意味で)。横浜FCの若き守護神と言えば菅野孝憲。彼の再来となれる存在だと思う。
 

 

⑥高井 和馬(FW 22歳・群馬)
39試合(2488分出場 / 10得点】

 

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群馬の”26番”はブランド化された。それは、2015年の江坂任と2016年瀬川祐輔がそれぞれシーズン13ゴールを記録し、J1クラブ(共に大宮だ)へ個人昇格を果たしたことに起因する。そして今年、その出世番号を引き継いだのが高井和馬だった。

大学サッカーを取材している一人として発言させてもらうと、彼のポテンシャルは前者2人を凌ぐものだった。

初めて見たときから余裕と自信を持ったボールタッチと、力強く前へ運び切るそのドリブルは大学リーグの中でも一際抜けていたと感じ、武藤嘉紀っぽさを感じたのを覚えている。日体を率いた鈴木政一監督も「日本代表になれる逸材」と太鼓判を推していた。その鈴木監督が新潟へ行ったが、高井を呼び寄せる可能性は大いにあると思う。

 

⑦翁長 聖(MF 22歳・長崎)
38試合(3138分)出場 / 4得点】

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今年のJ2の話題をかっさらったのは下馬評を覆して自動昇格を果たした長崎であることは間違いない。このチームはやたらと大学サッカー出身者が多いのだが(だからずっと気にかけている)、その中でPickしたいのが大卒1年目ながら中心選手として活躍した翁長聖。「おなが ひじり」と読む。

長崎がSHをできる選手を探している中、デンチャレでその能力に一目惚れをして獲得に至ったという経緯がある。3,4年生は関東大学2部で戦っており、大学サッカーのトップを戦ってこれた訳でなく、正直言ってここまで主力になるとは思わなかった。とは言え、初めて彼を見たときには両足を拓海に使うドリブルとその走力、何よりもスピードに乗りながらもボールコントロールでおぼつかない姿が印象的で「面白い選手だな」と思った記憶がある。

しかし、繰り返すがこの走力と技術がJで通じるとは思わなかった。あっぱれ。ちなみに福岡・亀川諒史の帝京第三高校時代の後輩である。

 

⑧宮崎 幾笑(MF 20歳・金沢)
38試合(2399分)出場 / 5得点】

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チームとしては成績的に振るわなかったものの、今期の金沢はアタッカーが一定の輝きを見せたと思う。その代表格は佐藤洸一と中美慶哉であることは間違いないのだが、彼ら2人の影で躍進を果たしたのが宮崎幾笑ではないだろうか。

新潟Y出身で2015年にトップ昇格を果たした彼は今季、武者修行で金沢に来たのだが、これは成功だった。経緯はわからないが、おそらく彼が新潟にいた1年目の指揮官であり、現在金沢を率いている柳下正明監督が呼び寄せたのではないだろうか。小柄だがスピード感溢れる左利きのドリブラーで、シュートセンスもある。

ただ、注目して欲しいのがピッチ中央あたりから機を見てゴール前にギアを上げて迫っていくランニング。ボールを伴ってもそうでなくても同じくらいの速さでボックス内に入り込んでいく怖さはかなり際立っていると思う。群馬U-15の出身なのだが、群馬は良い選手を失ってしまったなという印象。流出を止められなかったのかもわからないが。

 

⑨白井 康介(MF 23歳・愛媛)
41試合(3509分)出場 / 4得点】

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通称、”浪速のロッベン”。これはいつから言われているのか知らないが、2013年、彼が大阪桐蔭から湘南ベルマーレに入団し新体制発表会のときに自らこう名乗っていたのをうっすらであるが覚えている。結局あの後は福島ユナイテッドへ期限付き移籍をし、自分も湘南担当を離れてプレーをしっかり見ることが出来なかった。そして、湘南でも出場機会に恵まれず2015年途中に愛媛へレンタルで修行へ出た。すると、少ない出場数の中で結果を残し、翌年から完全移籍を果たした。

移籍初年度では40試合3得点を記録すると、今年も主力として41試合に出場し4得点。正直、アタッカーとして得点は少なく見えるかもしれないが、直接的にゴールを奪えなくても、彼のスピードに乗ってゴールへ向かうドリブルはDFの目を寄せられるもので他の選手がフリーになりやすく、チャンスを生むことができる。アシストもけっこうしている印象がある。

同級生である三浦弦太(G大阪)が代表にも入り、刺激を受けているだろう。さらなる成長に期待。

 

⑩山根 視来(MF 23歳・湘南)
37試合(3223分)出場 / 0得点】

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どうでも良いが彼は自分の地元の後輩(中学が一緒)でもある。地元の名門・あざみ野FCからヴェルディJYを経てウィザス高校に進み、桐蔭横浜大へ入学したのだが、彼に関してはこの桐蔭横浜大に入学したタイミングが最高だったと思う。そこには色々な運命のイタズラがあるのだが、それについて知りたければ下記リンクのnoteを購入して読んでみて欲しい。

1年次に昇格を経験し、2〜4年までは主力として関東1部で戦った。そこでのポジションはサイドハーフやFWだったのだが、とにかくゴール前の決定力とシュートセンスに秀でており、かつドリブルで相手を剥がすことも出来る典型的な優良アタッカーという印象が強かった。もちろん湘南でも攻撃的なポジションでプレーすると思ったのだが、1年目は負傷もありリーグ戦での出場を果たすことができなかった。しかし、一転して今年、彼がレギュラーの座を掴んだのは3バックの右CB。

”まさか”の人事であったが、後方から攻撃的に前に出ていって圧力をかけていくプレースタイルが曺監督の意向に合ったのか、主力としてシーズンを戦いきった。DFとして経験値を高めた中、来季はどのような起用のされ方をするのか、非常に興味深い。

ちなみに、川崎フロンターレの長谷川竜也とものすごく仲が良い。

 

 

 

まずは半分の10人を紹介したが、しかし疲れた。ぜひ、後編にも期待して欲しい。
では、本日はこんなところです。

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