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【個人昇格も?】2017年、J2で印象に残った注目の若手選手20選その②

サッカー



2017年に印象に残ったJ2の選手を紹介する回の後編に移る。前編を見て「え、◯◯選手はいないの…?」と思った人も多いだろう。ただ、前編で出てこなかった選手はここにいるものと思って欲しい。それでもいなかったら、引用RTで自分にmentionして教えて頂きたい。というわけで、残りの10人を紹介しよう。

 

 

⑪古橋 亨梧(FW 22歳・岐阜)
【42試合(3646分)出場 / 6得点】
【生駒FC→興國高校→中央大学】

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前編で紹介した長崎の翁長聖とは中央大学時代の同級生である。先に試合に出ていたのは彼だ。大阪の名門・興國高校仕込みの高い技術とドリブルで関東大学サッカー1部に翠星のごとく現れ、左サイドからスピードに乗ってカットインしていく姿は観衆の度肝を抜いていた。学年が上がるに連れて負傷やチームの低迷もあり苦しみ、それを見ていた自分としてはプロ入りに黄信号が灯っていたように感じていた。

しかし、大木武監督が就任したFC岐阜からオファーを受け入団を決意すると、ルーキーイヤーから11番を預けられ開幕スタメンに名を連ねる。その後不動のレギュラーとして大木サッカーの中心人物となりピッチに君臨し続けた。FWとして得点は少ないが、アシストが多い。二桁とっていれば、間違いなくJ1クラブに引き抜かれていた可能性は合っただろう。個人的には残留して、岐阜のサッカーを研磨させて欲しい。

 

⑫安西 幸輝(DF 22歳・東京V)
【40試合(3165分)出場 / 3得点】
【東京V・JY→東京V・Y】

 

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古橋に続いてまたもドリブラーの紹介になる。ここで紹介する20人の中で、最も「この選手、こんなに凄かったんだ」と思わせた選手が彼である。というのも、ヴェルディをあまり見ていなかったからかもしれない。ただ、ルーキーイヤーから出ていたのは知っていたし、調べてみたら40試合に出場していた。高卒1年目でこれだけ出ており、そこから4年目の今季に至るまで主力を張り続けているだけで、それはもう実力者の証明である。

今年は特に彼の武器である突破力が大衆の目を集めた年だったと思う。ロティーナ監督からは「思い切り仕掛けていけ」という指示を受けたそうだが、思い切りがよすぎるくらいの仕掛けで行くどもチャンスを作っていた。あれだけ一気に上げるギアを入れて加速されると、なかなかついて行けない。後輩の三竿健斗が鹿島へ移籍し代表へ選ばれたこともあるし、彼もこのオフに動くのではないだろうか。

 

⑬冨安 健洋(DF 19歳・福岡)
【35試合(3150分)出場 / 1得点】

【福岡U-15→福岡U-18】

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FCバルセロナスクール福岡校で学び、アビスパでその才気を爆発させた日本の至宝。こう言ってはあれだが、まさか福岡からこんな将来性豊かで、世界と戦える実力を持った選手が出てくるとは思わなかった。CBと中盤の底をそつなくこなせるユーティリティ性とプレーの安定感、安心感はおよそ19歳とは思えない。

長身のCBでよくいる構えて守るタイプではなく前に出て刈り取ることもできるし、そこからドリブルで持ち運んでチャンスを作ることにも長けている。攻守両面でこれだけの動きができる選手は貴重な存在だ。一刻も早く欧州含めた高いレベルでプレーする姿を見たい。

 

⑭乾 貴哉(DF 21歳・千葉)
【25試合(2102分)出場 / 3得点】
【前橋JY→桐生第一】

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11月に負傷して全治6ヶ月という診断が下されたことに対して非常に残念でならない。プロ3年目となった今季、エスナイデル監督の元で試合に出場するメンバーが割りと頻繁に入れ替わる中で非常に伸びた若手の選手の筆頭である。まず、187cmで左利きのSBというプロフィールだけで目を引ける。いわゆる大型サイドバックなのだが、そう言われると「スピードがなく、動けない」というイメージを持つ人は多いかもしれない。

が、彼は違う。

この体格で積極的にオーバーラップを繰り返し、相手陣内深くまで入り込んでクロスを送ったり、相手の脇に入り込んでボックス内に侵入する。加えて、当たり前だが競り合いも強い。CKではターゲットになれるし、ヘディングの基本である”叩く”ことが非常に上手い選手のように思える。ポテンシャルはとても高いので、しっかりと怪我を治してピッチに戻ってきて欲しい。

 

⑮杉岡 大暉(DF 19歳・湘南)
【37試合(3251分)出場 / 3得点】
【FC東京U-15深川→市立船橋】

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プロ3人を輩出した昨年の市立船橋高校でキャプテンを務め、守備の耐久力と後方からの持ち運びでチャンスを創出することに長けていた左利きのDFは、プロに入ってもその能力をいかんなく発揮してくれた。まだ若干の粗さがあるが、最終ラインを任されながらも相手ゴール前まで顔を出していき、深い位置を取る積極性はチームを助けると同時に相手にとってはイヤなものになる。CBとSBを高い水準でこなせるのも魅力だし、スキがない。熟練度がかなり高い一方で、まだまだ成長する余地も残されている。間違いなく、日本を代表する選手になるだろう。


湘南のスカウトの小原光城さんは「うちにも市船の選手が来るようになったよ!」と彼について話したときに嬉しそうに語ってくれていたが、彼の力あってのものだし、小原さんの選手を見る力と引っ張ってくる力は湘南にとっての大きな武器だと思う。

 

⑯前田 大然(FW 20歳・水戸)
【36試合(3003分)出場 / 13得点】
【川上FC→山梨学院】

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最も、2016年と2017年でその知名度が圧倒的に変わった選手は彼だと思う。山梨学院時代はプリンス関東でかなり得点を重ねていたらしいが、残念ながらその当時の彼は見られていない。初めて見たのは昨年のプロ1年目の松本でのことである。長時間は出ていなかったのだが、猪突猛進という感じでとにかく敵陣に入り込んでいくそのスピードと物怖じしない姿勢を見て「面白そうな選手だな」と思ったものだ。

こう言ってはあれだが松本は高卒・大卒問わず選手を積極的に取る一方で大成しないイメージが自分の中であり、その例に沿って彼も埋もれてしまうのでは、という考えも頭によぎった。しかし、水戸への期限付き移籍でその負のルートを自ら断ち切ったように思える。林陵平という最良のパートナーと共に得点を重ね、一時は13戦無敗を記録したチームの中心として欠かせぬ存在となり、そして何より短時間の映像映えするスプリントがネット上でも話題となって知名度を高めた。このほど松本への復帰が発表されたが、来シーズンは今年以上の活躍が求められ、注目も浴びる。その中で個人としてもチームとしても結果を残せるかどうか。

 

⑰汰木 康也(FW 22歳・山形)
【37試合(2526分)出場 / 2得点】
【横浜FM・JY→横浜FM・Y】

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甘いマスクと華麗なステップで対面のDFを手玉に取るドリブルは、それだけで女性ファンを虜にできる。横浜FM・Yから山形への加入を決意して4年目の今季は自身初の30試合越えの出場を果たした。得点数は21試合に出場した去年と変わらないというのは物足りないのだが、左サイドを主戦場として1対1、ないしは1対2の状況でボールを少し晒しながらも運んで抜き去る芸当は、ピッチ上の飛び道具という点で貴重性が高い。自分が指揮官だったら絶対に試合のどこかでは使いたいと思う存在だ。

前編であるその①で紹介した白井康介はスピードに乗った勢いあるドリブルで相手の目を寄せられるタイプだが、汰木に関してはゆるやかに運びながらでも、自身の間合いに相手を引き込む力があるように感じる。とはいえ縦への推進力がない訳ではなく、前にスペースがあれば直線的に入り込んでいける。年間10~15点に絡めたら、間違いなくJ1へ行けると思う。高卒5年目となる来季はもう若くないという危機感を持って、さらなる結果を出して欲しい。

 

⑱垣田 裕暉(FW 20歳・金沢)
【32試合(610分)出場 / 3得点】
【鹿島JY→鹿島Y】

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ここで紹介する選手の中で、際立って出場時間数が短いのが彼だ。この選出は意見が別れるように思えるのだが、自分がたまたま見た試合でインパクトがあったからなのかもしれない。入れさせてもらう。とにかく素材に期待感を感じる。187cmの長身で空中戦は当たり前のように強く、馬力がある。相手DFと並走してドリブルをしながらも体制を崩さずにシュートまで持ち込める力強さは日本人っぽくない。

ちなみに自分はビエリが大好きなのだが、それに近しいものを感じている。鹿島時代は全く知らなかったが、2年目にJ2へ行ってある程度の成績を残せたことだし、将来性豊かな選手であることは間違いない。ただ、鹿島で主力となるにはもう1年、J2でコンスタントに試合に出て15点くらいは取らないと、とも同時に思う。

 

⑲塚川 孝輝(MF 22歳・岡山)
【34試合(2624分)出場 / 2得点】
【広島JY→広島観音→流通経済大】

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今回の20人の中で前編の翁長聖と並び「そこか!」と思わせる選手だと思う。彼の母校である流通経済大は部員が200人以上存在し、毎週のように出場する選手が変わる。その中で定位置を掴んでいる選手というのはたいていプロに行くのだが、1年生からそういった存在だったのが彼だった。184cmと長身で対人の守備はもちろんのこと、最終ラインや中盤の底からの長いフィードの精度が高いのがとても印象的であり、出身も相まって広島へ言って”青山敏弘2世”になるのではと思っていた。キャンプにも参加していたと聞く(確か)。

彼が行ったのはその隣の岡山で、これはこれで驚いたものだ。これだけ試合に出られたことを考えるとこのチームを選択したのは正解だったかもしれない。気持ち溢れるボール奪取は大学時代から発揮していたが、ハードワークをする岡山でもそれが際立ち、長澤徹監督もその点を評価しているのではないのかと思う。得点やアシストという数字にはでにくいのだが、要所要所で”効いている”プレーをするので、ぜひ見てもらいたい。

 

⑳宮原 和也(DF 21歳・名古屋)
【41試合(3644分)出場 / 0得点】
【広島JY→広島Y】

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大改革が行われた名古屋で、影のMVPとも言える活躍をしたのが広島から期限付き移籍で武者修行にやってきた彼である。ボランチ、3バックの右、4バックのサイドバックと異なる場所で起用されたが、最終的に後ろ2つのポジションに落ち着いた。パッと見だと細身で技巧派な選手のように思えるのだが、身体能力がとても高い。もちろん技術もしっかりしており、風間監督がよく言う「出して動く」がそつなくできるタイプである。

先にも伝えた通りフィジカル面の強さがあり、それは球際の部分のハードな戦いを厭わないで体を投げ出す側面や、イーブンの競り合いを制してマイボールにするプレーに表れている。攻撃的なチームの中でもしっかりとバランスをとってプレーできる賢さも兼ね揃えており、どこか風間監督が川崎を率いていたときに右SBとして活躍していた田中裕介とかぶって見える。名古屋は彼の慰留に全力をつくすべきだ。

 

というわけで20人の紹介を終了した。完全なる趣味原稿だったのだが、楽しんでくれたのであればそれは嬉しい。
今年もJ2は面白かったし、知られざる色々な才能がいる。また、2種や大学サッカーを見ている自分にとってはその時代で活躍していた選手がJ1よりも出ている可能性が高いので、そこも楽しめる要因なのだと思う。

来季も、楽しみだ。

では、今日はこんなところです。名古屋なう。
 



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