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鹿島アントラーズが勝負強い理由が「血を繋げる」を読んでわかった

サッカー

“「負けた悔しさがバネになる」とよく言われるが、そんなことはない。

負けたら何も残らない。”

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「勝つ」のがスタイル

だと思う。鹿島アントラーズに関しては。某サッカーメディア仲間と話していたときに各チームのスタイルについての話になったのだが、結局落ち着いたのはここ。

「フットボールは単純だ。22人がボールを奪い合い、最後はドイツが勝つ」という言葉をリネカーが言ったみたいな話があるが、ことJリーグに関して言うとドイツは鹿島になる。

では何で鹿島は強いのか?

クラブ創成期にジーコが植え付けた「献身・誠実・尊重」というものが大きいというのはちらほら聞いていたが、チームを追い続けているわけではない、週末の試合を見るに留まってきた自分にとっての知識はそれが限界だった。

ただ、これを読んでその強さの理由がわかった気がする。

 

某関係者に“鹿島の強さ”について聞いたときも「それは鈴木満さんがいるからだ」と言われた。正直「?」となったが、それが全てだった。

四半世紀もの間、この常勝軍団を支えて(と言っても最初はそうでなかったので、常勝軍団を“作った”というのが正しいかもしれない) きた彼の哲学、思想がチームにもたらしているものが如何に大きいかが本書を通じて非常によくわかる。

その根幹には鹿島という地域性や先にも触れたジーコの存在があるのだが、そこから勝負に徹する組織を作り上げる過程において彼の組織を構築する能力、マネジメント力がいかに重要な役割を示しているということも、詳細に記されている。

先述した某関係者も「ここまで書く?」と驚いたらしい。

中でも第三章の「勝利をつかむための、エピソード45」は特に興味をひいた。様々なシチュエーションでどういった決断をしてきたかが記されているが、この章にはいちサッカークラブの運営という枠を超えて、組織に最良の結果を掴むためのヒントがあると思う。

印象的な言葉を並べてみると…

  • 「個性の強い選手が入ってきても、クラブを取り巻く空気によって、いつの間にか鹿島色に染まってしまう。そういう強い力がクラブに備わっている」。『だから、多少変な奴が入ってきても大丈夫』とセレーゾ監督もよく話していた。

  • これまで、いくつものタイトルをクラブにもたらした選手と、一つも取っていない若手選手を同等に扱ってはいけない。その点を無視して全員が平等というのは、平等という言葉の解釈を間違えている。そこを間違えると、おかしなことになってしまう。」

  • 『負けた悔しさがバネになる』とよく言われるが、そんなことはない。負けたら何も残らない。
  • 「基本的には監督のやりやすいようにしてもらうが、どうしても曲げられない部分もある。鹿島の文化を尊重してもらい、鹿島の流儀を守ってもらう」

当たり前のものも、インパクトがあるものもある。ただ、どれもが鹿島アントラーズという強いチームを育む要因になっているのは事実なのだと納得させられた。

Jリーグのどこかのチームを応援している人、国内サッカーが好きな人なら楽しめるので、ぜひ。

 

あ、鹿島が大島僚太を獲ろうとしていたのは知らなかった。

今日はこんなところで。

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