実は音楽が大好きなのである。小さい頃からJpopを聴きまくってトレンドを抑え、中学でちょっと洋楽をかじり、高校時代に仲良くなった友達がめちゃくちゃ洋楽やJrockの造詣が深く、色々と教えてもらった。ロッキン・オンも読み始めたりして。そこからできるかぎりアンテナを張って色々と漁ってきたのだけど、2015年に音楽のライブストリーミングサービスが始まってからapple musicに登録し、それを機に更に色々と手を出すようになった。ちなみにTSUTAYA DISCASもやってるけどあれも良い。これはまた別の記事で書きます。
というわけで(?)、昨年、2016年に聞いたアルバムの中から"邦楽限定"で自分が良かったと思うアルバムをランキング形式で紹介しようかなと。なんで10じゃなくて11かって言われたらそれはもう、僕はサッカー界で働いている人間でもあるので。ではスタート。
※ちなみに完全に個人の志向ですが、割とポピュラーなものに寄せています。
11位 勇気も愛もないなんて /NICO Touches the Walls
実はニコを聞くのは8年ぶり(!)。「Who are You?」を大学生のときに聞いて、「image trainig」はカッコイイと思ったのだが、それ以上でもそれ以下でもなく、よくあるロックバンドの1つというくくりで自分の脳の引き出しの奥にしまわれた。それ以降全く追うこともなかったのだが、何をきっかけにかこのアルバムを今年聞いて、「こんなカッコいい曲作るバンドなんだ」と思わされた。聞かず嫌いは良くないな、と。シングル曲が多く、そのどれもが疾走感とポップさをかけ合わせた耳馴染みの良い曲ばかり。
『J ROCKの定義ってなんだよ』と言われたら自分は『ジャンプ系冒険アニメの主題歌になりそうなもの』と答えるようにしているのだが、そういう意味ではこのアルバムはJ ROCKっぽさが全快。鋼の錬金術師の主題歌だったアジカンの「リライト」やNARUTOの主題歌だったシュノーケルの「波風サテライト」、ONE PIECEの主題歌だったバンプの「sailing day」を聞いて日本のロックバンドを聞いてみようと思った人は少なからずいると思うけど、このアルバムもそうやってリスナーが聞く音楽の幅を広げる可能性を持っていると思う。適度なポップ感とロック感。
10位 nicoten / nicoten
11位のニコがJROCK感全快のバンドなら、nicotenはポップ感全快のバンドだ。じゃあ『ポップとは?』と言われると…平日21時からやるホームドラマのオープニングテーマになりそうなものだと思っている。というか、もうこれを聞いてくれ。ポップとはnicotenのことだ。
激しくダイブしたくなるとかではないし、例えばスポーツの試合の前に聞いてテンションが高まる曲はない。ただ、リズムに合わせて肩を揺らしながら軽く口ずさみたくなる楽曲の集合体が、バンド名を冠したこのアルバムだ。日常生活の中での喜怒哀楽を良い意味で”軽い"リズムに合わせて歌われているのだが、Vo,&Gt の宮田航輔の透き通るような声が1つ1つの曲たちをさらに際立たせている。
9位 TOSS / トクマルシューゴ
"独創的"
この言葉が最も合うアーティストってトクマルシューゴなのではないかとずっと思っている。楽曲の中には様々な楽器(もやは楽器じゃないものもある)が使われており、毎回聞く度に『これは何を使っているんだろう?』と思わせる、別の角度からの楽しさを提供してくれる。
ただ、実際の楽曲も素晴らしいものばかり。ジャンルをどう分けるかはちょっと難しいのだが、多分ポップでもロックでもなくて、”トクマルシューゴ"というジャンルを確立しているんじゃないか?と思う。
彼のアルバムも全部聞いているのだけど、1枚を通じて最も飽きることなく聞き続けられ、いつの間にか最後まで聞き終わっているタイプのものは初めて。今回は様々なアーティストとコラボしたり、一般の人から集めた音を使ったり、と面白い取り組みをした中で完成させられたもの。ただ、それも自己満足で終わらず、こうやって完成度の高い作品を作り出すのだから、やっぱり彼は異質だ。
8位 World's Magic / Special Favorite Music
今年はシティポップに傾倒した1年だったかもしれない。色々と聞いた。その中で発見はたくさんあったのだが、マイナーだが進めたいと特に思ったのがこれ。男女7人のこのバンドが作る音楽から感じられるのはただ1つ、”緩やかな幸福感”だと思う。派手さは正直言ってない。だが、音楽という共通項の元に集まった7人が奏でるどこかマイペースでスローな音楽からは存在感を感じられた。
Awesome City Clubに近いかもしれないけど、あそこまで強さはない。支えたくなる弱々しさがまた彼ら彼女らの奏でる音楽の強みだと思う。
7位 海賊版 / 中村一義
中村一義は天才であることは誰もが認める所だと思う。歌声とメロディラインと、歌詞。中学時代?に「君ノ声」を聞いてからのめりこんで聞きまくっていたのだけど、そのハマっている時期にニューアルバムが出されなかった。2012年に100sから10年の時を経て「対音楽」をリリースしてそれももちろん聞いたのだが、大好きなアーティストが10年ぶりに出した作品という前置きのハードルが高すぎて、いまいちピンと来なかった。もちろん悪い作品ではないけど。
そういう印象があった中で出されたこの海賊版を聞いて『自分の好きな中村一義はこれだ!』と再確認をした。今回のアルバムは100sの町田さんやビークルのマシータさんが入ったことによって、割と100s寄りになっている。ちなみにこれは中村一義のアルバムというよりも、中村一義を中心とした"海賊"というバンドのアルバムという意味合いがあるらしい。
そして、その中で数々の楽曲から感じられる"楽しそう"感が随一。『俺達はこの楽曲が好きで、このメンバーで音楽をやっているこの瞬間が最高に楽しいんだ!』というような思いがすごく伝わってくる。
※Youtubeの音源がスカイラインしかなかったのでこれにしたけど、GTRを聞いて欲しい。
6位 ソルファ(2016) / ASIAN KUNG-FU GENERATION
「遥か彼方」からアジカンはずっと追い続けているし、自分の10代のBGMを選ぶとした彼ら以外に選択肢ない。そのアジカンがこれまで出したアルバムからNo1を選べと言われたら、2004年に出た「ソルファ」一択である。当時自分は中学2年生だった。貯めたお金でこのアルバムをたまプラーザのCDショップに買いに行ったとき、視聴コーナーで振動覚を聞いて脳が揺さぶられたのをまだ鮮明に覚えている。
ちなみに発売日は自分の誕生日の前日だった。シングル曲の「ループ&ループ」や「君の街まで」はもちろん素晴らしいのだが、何よりもインパクトあったのが他の楽曲たち。特に「海岸通り」はおそらく中学時代に最も聞いた曲だった。そんな思い出が詰まったアルバムが12年の時を経て、再録版として出された。こんなにワクワクしたことはない。もちろん全て知っている曲だし、そういう意味では新しさはないのだが。ただ、同じ曲でも12年経って改めて歌うとこんなに深みが出て、当時とは違うカッコよさが生まれるなんて予想はしていなかったし、そういう意味でこのアルバムが与えてくれたインパクトは大きなものだった。
2004年版では最後の1つ手前の曲だった「海岸通り」を最後に持ってきているのだけど、これは大正解だと思う。聞いてみれば、納得するはず。
普通に考えればトップ3は確実。ただ、ちょっとこれは"反則”なので6位に落ち着かせた。
5位 Cubic / LITE
インストバンドだとSPECIAL OTHERSとこのLITEが双璧をなしている。2015年は「WINDOW」が出たことで前者を聞きまくったのだけど、2016年は俄然、後者だった。スペアザとかtoeが好きな人にとっては少し重さと荒さを感じるかもしれないが、彼らには無い部分がLITEにはある。
3年5ヶ月ぶり5枚目のアルバムである本作では適度な重さに聞きやすさもちょっと散りばめられていて、ボーカルを入れてみたりと新しいことに取り組んでいる感があるもの。それらが絶妙にマッチした曲が「D」だと思う。今年最も脳をノックアウトされた日本のロックソングは?と聞かれたら自分は迷わずこれを出す。インストバンドのアルバムを1枚通じて聞くのはちょっと億劫だという人には、とりあえずこの曲だけ聞いて欲しい。
かっこよさが伝わる…はず。
4位 PAPER / FINLANDS
とにかくガールズロックが大好きな自分の中において、他を凌駕しているのがこの女性2人組バンドであるFINLANS。年が近く、神奈川県出身(まさかの箱根)いうことで親近感もあるのだが、初めて聴いたときはもやはそんなことを忘れるくらいの衝撃だった。ちなみに2016年、4回ライブに行った。最多である。2月にはtoricotとの対バンツアーをやるのだがそれも行く予定。
フロントマンであるVo&Gtの塩入冬湖の高音ボイスと思いサウンドが絡まった楽曲は、ゴリゴリのJ ROCKが好きな層にも、可愛さが湧き出るガールズロックが好きな層にも受ける。可愛さとカッコよさをものすごく絶妙なバランスで保っているのが彼女たちなのだけど、このアルバムはややカッコ良い方向に寄っている印象がある。1曲目の「ウィークエンド」から「バラード」へ"走っていく"流れはなかなか女性バンドで感じたことはなかったように思う。中間地点で少し落ち着くが、終盤に「JAM」でまたテンションをグッと上げる感じ。このテンションを操られている感じがたまらない。何度も聞き返すうちにハマっていったアルバム。他の作品も良いので、別記事で紹介したい。
3位 純情ランドセル / 赤い公園
とにかく1枚のアルバムとして、収録されている14曲の流れが素晴らしい。"完成度が高いアルバム"というと前述したアジカンのソルファとかがそれだと思うのだが、ただ1曲1曲のクオリティが高いという理由ではなくて、曲の流れが聞くものをとにかく引き込む。そして、流れを把握してから再度、聞くのがまた楽しくなる。『次はこれが来るぞ…』というような、期待感。これを味わえるアルバムってなかなか簡単には見つからない。
ゆるやかに入り、少しテンポが上がった中で曲調が少しアダルトというか、大人なおちつき感が出る。と思ったらテンションを上げてポップな曲がくる。飽きを感じさせない構成力の高さに脱帽。このアルバムで赤い公園は"ガールズロック"という枠を超えた気がする。津野米咲はもっと多くの人に知られてしかるべき才能の持ち主だし、佐藤千明の高い音域で透き通る高尚な声は一度聞くべき。
2位 ショー・チューン / フレンズ
<画像出典元:フレンズ オフィシャルHP>
これはくくりではEPになるのだけど、2016年に自分が聞いた音楽を語る上で絶対に外せないバンドだったので入れた。最も"出会って良かった"と思えたアーティストはフレンズで間違いない。the telephonesのベースである長嶋さん、The Mirrazにいた関口ルイさんら各方面で活動していたメンバーがそれぞれの活動を離れ、また続けながらも進めているのが男性4人女性1人のこのバンド。
オシャレであり、クールであり、可愛さもある。それは「夜にダンス」であり、「DIVER」であり、「Love,ya!」である。楽曲ごとに与える印象を変えられるおかもとえみの歌唱力がその多様性を成す原動力でもあるのだが、何よりもそれぞれが前に所属しているバンドの系統が違うことも1つ大きい。だって、telephonesを聴いていた人からはフレンズの音楽は想像できない。5人が集まって生まれた化学反応がこんな最高なものになると思わなかった。ちなみにこのアルバムの後に出された「ビビビ」もめっちゃ可愛い曲。
1位 1 / the band apart naked
バンアパとの出会いはもう10年前。冒頭に話した仲良かった同級生がコピーしていて知り、「K. AND HIS BIKE 」を聞いて衝撃を受けた。『日本人が英語の歌詞を歌ってこんなカッコよくなるんだ』という意味で。それからずっと追っているのだが、毎回のアルバムは期待を裏切らず、2013年には全日本語歌詞の「街の14景」をリリース。全く違和感のない日本語ロックを演じてくれて、更に期待度を高めてくれた。そして、2016年に出したのがこの「1」。これまでリリースした曲を全曲、アコースティック編成にしたもの。
タイプ的には6位に格下げしたソルファ(2016)と同じなのだが、今までの曲をアコースティック編成にしてここまでかっこよく仕上がっているなんて思わなかった。そして、いわゆる"原曲超え"を連発したアルバムというのはこれまでにあまり記憶にない。
中でも圧倒されたのは 「light in the city 2」。10月に行われた□□□とのツアーで彼らが自ら『推し曲』と言ってていたのだが、期待以上だった。”オシャレでカッコいい”とはこの曲のこと。
2016年で最も出会えて良かったと思った楽曲がこれ。それが入っているアルバムなんだから、1位は当然だった。進化し続けるバンアパにこれからも期待。
という感じでした。長々とすみません。熱が入りすぎてめっちゃ時間かけましたが、とりあえず一曲でも「いいかも」と感じてくれた曲があれば幸いです。今年は、音楽ネタも投下する予定。
では、今日はこんなところです。
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