スポンサーリンク

ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?~日本人が抱く大いなる誤解~

サブカル

後悔先に立たずというが、学生時代に留学をしておきたかったなと強く思うこともある。あとは、羽根を広げて色んな同世代の人たちと交流を深めていく中で大学時代の4年間を海外で過ごしたなんて経験を持つ人もいた。そのとき毎度”自分もこういう選択を取りたかったなぁ”なんて思う。けど、良くも悪くも日本で学生生活を過ごしたことが今の自分を形成していることは間違いないので、自分が選んだ道には誇りは持っている。

だだその一方で、子どもが出来たら(と言ってもいつの話になるかもわからないし、押し付けになってしまうのも嫌なのだが)、海外の大学へ留学させるまたは進学させるという選択を、早い段階から提示して、全力で薦めたい。それが可能なほどの経済力がそのときにあるかどうかは置いておき。

冒頭に述べたようにぼんやりと”海外の大学という選択肢”については思う所があったのだが、それを加速化させたのが今回紹介するこの一冊。

Amazonでレコメンドされたて購入したのだが、これが推薦されたのには理由がある。これ以前に、おそらく昨年の夏くらいだったと記憶しているのだが、大好きな書き手の1人である冷泉彰彦さんの”アイビーリーグの入り方”を購入したことがあった。amazonが自分のこの購入歴から志向を汲み取ってこの栄陽子さんの書を”推して”きたのだろう。


余談だが、今”栄陽子”の文字列を入力しようとしたら、”栄陽子留学研究所”が一番最初の予測変換候補ででてきた。有名なのだろうか。

“アイビーリーグの入り方”はその書名の通り
いかにしてアメリカの名門大学に入るか
そのためにはどういった準備・対策が必要か
のようなことが書かれており、ハウツー本というとどこか響きが良くないが、入学へ向けての指南書という印象だった。感覚的に、この書籍の対象は10~15歳くらいのお子さんを持つ親御さんなのかな、と思ったくらいには。

では一方で”ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?”はどのようなものかと問われると、正直、序盤から中盤は思い切り既視感を覚えた。つまり、件の冷泉さんの書籍と同じようなことが書かれていたということ。が、本書が色を出し始めるのは中盤以降。

“アメリカの大学の試験形態はこんな感じです”と説明した後、“ではなぜこういう形態が用いられているのか”という話へと展開されるのだが、このあたりから非常に面白みが増す。基本的にアメリカと日本の教育システムを対比させながら進めるのだが、日本の教育精度はこのままでいいのか?と読者に投げかける中でも、米国礼賛という感じが伝わってこない。ここはどうしても主観になるが。読了後にはどうしても”もっとアメリカのような形を取る大学が出てくるのがいいのでは”と思わずにいられない。そして、日本の大学教育ではおよそ味わうことがなかなかできない体験を得に、海をわたって見たかったと後悔する。

米国の大学教育を知る書として大人が読むのも良いが、むしろこれは高校1,2年生、もっといえば中学3年生くらいに読んでほしいなと。人生の選択肢を、幅を、広げるためにも。

最後に印象的だった一文を引用する。

集中力・記憶力・自己管理能力を重視する日本に比べて、分析力・判断力・決断力を勉強の中心とするアメリカですから、リンカーン大統領が奴隷解放をしたのはいつか、ということよりも、あなたが大統領だったら奴隷解放をしたかを考えることが大切だとされています。

前者も重要であるが、確かに、後者の方が頭は育まれそうだ。

では、今日はこんなところです。

ーー追伸ーー
ちなみに……米国の教育という点で見ると、小学校6年生で英検1級を習得した愛知が生んだスーパー知識人、岡崎玲子さんのチョート・ローズマリー・ホールでの体験記である”レイコ@チョート校”も面白いです。こっちのほうが読みやすいかな。

コメント